「MD(マーチャンダイジング)」という言葉を耳にすることはあるものの、実際には何を指しているのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。特に、キャラクターやアーティスト、スポーツチームなどのIP(知的財産)を保有する企業にとって、MDは収益モデルを形成する上で欠かせない領域です。
実は、人気IPのビジネスにおいてMDは、その収益の3~4割を担うほど重要な役割を果たしています。本記事では、**「そもそもMDとは何か?」**という基本的な定義から、IPビジネスにおけるMDの位置付けまでをわかりやすく解説します。
MD(マーチャンダイジング)とは何か?
**MD(Merchandising)**とは、「商品企画」や「商品政策」を指すビジネス用語で、単なる商品開発にとどまらず、顧客が求める商品を最適なタイミング・場所・価格で市場に提供する一連のプロセスを意味します。例えば、アパレルブランドがトレンドを読み取り、顧客が欲しいアイテムを適切なシーズンに投入したり、人気キャラクターIPがファンのニーズに合わせてグッズラインナップを拡充する際の根幹にある考え方です。
MD担当者は、市場リサーチを通じて顧客の嗜好や消費動向を読み取り、商品コンセプトからデザイン、生産・流通管理、販売戦略まで、全体を俯瞰しつつ調整役を担います。その結果、生まれる商品群がターゲット顧客を魅了し、ブランドやIPの価値向上へと繋がっていきます。
IPビジネスにおけるMDの重要性
近年、エンターテインメント領域やキャラクタービジネスでは、作品そのもの(映像やゲーム、音楽コンテンツなど)の売上に加え、関連グッズ・コラボ商品・限定アイテムなどのMD展開が大きな収益源となっています。特に、人気キャラクターや有名アーティストのIPビジネスにおいては、MD関連売上が総収益の3~4割を占めると言われるほど、そのウェイトは大きいのです。
図1:IP収益構成比
コンテンツ直販・配信収益: 約30~40%
イベント・ライブ収益 : 約10~20%
ライセンス収入 : 約10~20%
では、なぜこれほどMDが重要なのでしょうか?
- ブランド認知・ファンエンゲージメント強化:
MD商品は、ファンが日常的に目にしたり、身につけたりすることで、IPとの接点を継続的に生み出します。たとえば、キャラクターがプリントされたTシャツやステーショナリーは、ファンの日常生活に溶け込み、ブランドロイヤリティを高めます。 - 収益の安定化・多角化:
映像や音楽などのコンテンツ販売は、リリース時期やヒット状況により売上が変動しがちです。その一方でMD商品は、ロングテールで安定した売上を生み出し、作品の人気ピークを過ぎた後も収益基盤を支える役割を担います。 - グローバル展開への強み:
IPを海外市場に拡大する際、現地ファンのニーズに合わせたグッズを企画・販売することで、認知度を高めつつ収益を確保します。越境ECや海外販路に対応するMD戦略は、国境を超えたビジネス成長を可能にします。
成功するMD企画のポイント
IPの収益基盤としてMDを有効活用するには、以下のポイントが鍵となります。
- 顧客ニーズに基づいた商品開発:
ファンが「本当に欲しい」と思えるアイテムを提供することが重要です。SNSやコミュニティでの顧客声を拾い、トレンドや文化的背景をリサーチしましょう。 - ブランディングと世界観の統一:
商品デザインやパッケージ、販売チャネルに至るまで、IPの世界観を一貫させることで、ファンの没入感を高め、ブランド価値を底上げします。 - 小ロット・テスト販売の活用:
初動で全量を生産するのではなく、小ロットでテスト販売を行い、ファンの反応を見てから拡大する戦略をとると、在庫リスクを軽減しながらニーズに合わせた柔軟な対応が可能になります。 - 国内外販路の拡充:
オンラインショップ、イベント販売、海外ECなど、多彩な販売チャネルを持つことで、潜在的なファン層へのアプローチが広がります。
まとめ:MDはIPビジネスの成長エンジン
MD(マーチャンダイジング)は、商品企画から販売戦略までを包括的にコントロールし、IPビジネスにおいては収益の3~4割を支える重要なエンジンです。コンテンツやブランドの「顔」である商品の質や魅力は、ファンとの長期的な信頼関係構築、さらには収益安定にも直結します。
もし、自社IPやブランドにおけるMD展開に課題やアイデア不足を感じているのであれば、ぜひ一度ご相談ください。市場動向を踏まえた最適なMD戦略立案やグッズ制作のサポートを通じて、IPの価値と収益ポテンシャルを最大化するお手伝いをいたします。
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