配色デザインに迷ったら、“年齢”に注目してみよう。
赤ちゃんは白黒から世界を知り、子供は鮮やかな色を好み、年齢を重ねると落ち着いたトーンを選ぶようになる。
人の好みは、年齢とともに大きく変化します。
この記事では、配色の「トーン表」を活用して、年齢層ごとに適した色選びのヒントを紹介します。ファッションはもちろん、Webデザイン・商品パッケージ・広告・販促物など、幅広い分野で活用できる内容です。
こんな方におすすめ
- 年齢やターゲット層に合わせた配色設計をしたい
- 提案デザインの説得力を高めたい
- 生成AIやツールに任せた配色に“人の視点”を足したい
トーンとは何か?
色には三つの要素があります:
- 色相(Hue):赤・青・黄など、色みの違い
- 明度(Lightness):明るい・暗い
- 彩度(Saturation):鮮やか・くすんだ
この中で「明度」と「彩度」の高さによって分類されるのが「トーン」です。
たとえば、同じ“青”でも、トーンが違えば印象もまったく変わります。
これを年齢層別に使いこなすことで、より「伝わる配色」が可能になります。
年齢に合わせたトーンの活用法
幼年期(0〜10歳)|Vividトーン
赤・青・黄といった「はっきりした色」を好む時期。
保育園や小学校では、赤橙桃などの暖色が特に好まれます。
👉 デザイン例:キッズ向け教材、知育グッズ、ファーストブランドのロゴなど
👉 ワンポイント:親の好みで落ち着いた色を選びがちなので、あえて子供視点の色使いを意識すると◎
10代〜|Pale / Light / Bright トーン
徐々に彩度が落ち着き、「明るくて優しいトーン」も受け入れられるように。
Vividに加えて、淡く柔らかいPale(パステル調)や、明るく鮮やかなBrightが加わります。
👉 デザイン例:制服ブランド、学生アプリ、推し活グッズなど
👉 性別や季節感でも調整:
- 女の子らしさ → Pale
- 男の子っぽさ → Bright
- 夏 → Pale(涼感)
- 冬 → Bright(温感)
20代〜|Deepトーン中心に広がり
学生から社会人へ移行し、“印象管理”の意識が強くなる時期。
Vividだけでは子供っぽく見える場面もあるため、DeepやGrayishなど、深みや落ち着きのある色が活躍します。
👉 デザイン例:就活・ビジネス向け配色、アクセサリーブランド、スキンケア商品など
👉 ポイント:信頼・落ち着き・自立感を与える寒色系トーンがマッチ
30代〜|Dullトーン(くすみ系)で“自然体”に
肌の質感やライフスタイルの変化に合わせて、柔らかく落ち着いた配色へ。
Dullトーン(低彩度・中明度)を中心に設計すると、「浮かない」自然体の魅力を引き出せます。
👉 デザイン例:ファミリー層向けサービス、家具・インテリア、ナチュラル系商品パッケージなど
👉 補色の使い方:アクセントでVivid系を取り入れれば、地味すぎず若々しい印象もプラス可能
40代〜|Dark / LightGrayishトーン
年齢とともに、内面の成熟や落ち着きを重視した色選びが多くなります。
Darkトーンは「深さ」「重み」を伝えられる一方で、日本の蒸し暑い気候には重くなりがち。
👉 デザイン例:高価格帯ブランド、趣味・教養講座、ライフスタイル系雑誌
👉 バランス調整:LightGrayish(淡く控えめ)なトーンを基調にすると、軽やかさが出せます
50代〜|Grayish / LightGrayishトーン
熟年期には、明度も彩度も抑えた色合いが好まれます。
それでも「地味になりすぎない」ためには、補色の差し色でリズムをつけるのがコツです。
👉 デザイン例:ヘルスケア、観光・地域振興、セカンドキャリア系サービス
👉 観察ポイント:この年代はむしろ“自由”にファッションやデザインを楽しんでいる人も多いです。ステレオタイプにとらわれすぎず、遊び心を持つことも◎
TPOに合わせた配色と印象操作
ビジネスや冠婚葬祭など、フォーマルな場面では「相手基準」で色を選ぶのが基本です。
- 営業マン → ネイビー・ダークグレー(信頼・堅実)
- 女性のビジネスシーン → ベージュ・グレー+差し色(清潔感+やわらかさ)
- 冠婚葬祭 → ブラック
👉 このとき服やデザインは主役ではなく“副菜”。主役は話し方や所作です。
👉 それでも少し自分を出したいときは、「90:10の配色バランス」で、ほんのり差し色を加えてみましょう。
まとめ|配色に“年齢視点”を持とう
- デザインは「誰に届けるか」で印象が大きく変わる
- 年齢ごとの嗜好トーンを理解しておくと、説得力のある提案ができる
- ファッションだけでなく、販促物やUI、商品設計にも応用できる考え方
👇次の一手をどうする?
▼小ロットでグッズを作る
▼生成AIxデザインにトーンを試してみる
▼ECでトーン調整する。
👇合わせてどうぞ!
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