- 掲載日(JST):2025/09/24
- 公式発表日(現地):2025/09/09
ニュース概要
Ralph Laurenが米国の公式アプリに会話型AI「Ask Ralph」を実装。ユーザーが用途や好みを会話で伝えると、在庫と連動した“全身コーデ”のレイダウン画像を複数案提示し、そのまま購入へつなげる体験を提供する(まずは米国、Polo Men’s/Women’sから段階展開)。
背景・課題
アパレルECは「単品検索→比較」で離脱が起きやすい。さらに、“ブランドの世界観”を保ちながらスタイリング提案まで自動化するのは難題だった。サイズ・在庫・価格・着回しまで会話で詰められれば、客単価と購入点数の自然増が見込めるが、従来のレコメンドでは“全体コーデの説得力”が足りなかった。
何が新しい?(打ち手)
丸ごとコーデの提示
単品ではなく全身のレイダウン画像で即イメージ共有。会話の深掘りで微調整。
ブランド文脈の維持
AIがRalph Laurenのアーカイブ/編集方針に沿った言語と選定で提案(世界観の毀損を回避)。
段階ロールアウト設計
米国アプリ先行→他市場・他ラインへ拡張の前提が明示的。
いますぐ出来るミニ実装
① 用途→色設計の“会話テンプレ”を作る(10分)
プロンプト例:「学園祭のクラスT+手首アクセ。テーマ色は青系、予算は1人2,000円、写真映え重視。」
返してほしい形式を最初に指定(例:色3候補 / 加工手法 / 推奨レイアウト / 想定合計金額
)。
② 在庫・仕様の“制約辞書”を用意(30分)
スプレッドシートに カラー / サイズ / 最小ロット / 納期目安 / 加工可否
を1行1SKUで整理。
会話の最後に「この制約を守って再提案して」とAIに渡すだけで、現実解に寄る。
③ モックをSVGテンプレで半自動生成(30分)
文字と色だけ差し替え可能なSVGテンプレを用意。
置換する変数({TEXT}
, {HEX1}
, {HEX2}
)を決めて、AIに「この値でSVGを書き換えて」と指示。
仕上げはFigma/ブラウザでプレビュー→PNG書き出し。
技術メモ
- レイダウン画像:服・小物を“真上から並べた”コーデ写真。全体像が一目で伝わる。
- 会話AIの土台:大規模言語モデル(LLM)を使う。最初はChatGPTで手動→将来はAzure OpenAIなどへ。
- ブランドらしさの守り方:過去カタログ/LOOKBOOKのテキスト・画像をガイド文や用語集にしてAIへ渡す。口調・禁則(NG配色・ロゴ扱い)も一緒に。
- 在庫・価格の連動:最初は手動貼り付けでOK。慣れたらスプレッドシートAPIやCSV読込で半自動化。
- ガードレール:納期や著作権ワードはテンプレ回答を用意。迷う質問は人間にエスカレーション。
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